足のだるさ
目次
足のだるさについて
足のだるさは、「足が鉛のように重い」「足がパンパンに張る」「ふくらはぎがつる」などの不快な症状で、感じ方は人によって様々です。夕方になると症状が強くなることが多く、日常生活や仕事に支障をきたすこともあります。
多くの場合、長時間の立ち仕事や座りっぱなしの姿勢による一時的なものですが、血管の病気や心臓の病気が原因で起こることもあります。特に注意が必要なのは、下肢閉塞性動脈疾患(LEAD)など、足の血管に問題がある場合です。これらの疾患では、歩行時に足のだるさや痛みが出現し、休むと治まるという特徴的な症状が現れます。
足のだるさが起こる原因
足のだるさの原因は多岐にわたり、生活習慣によるものから血管の病気まで様々です。
血管の病気による足のだるさ
下肢閉塞性動脈疾患(LEAD)は、足の動脈が狭くなったり詰まったりすることで、足への血流が不足する病気です。特徴的な症状として、歩行時に足のだるさ、痛み、しびれが出現し、休むと数分で治まる「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」があります。
下肢静脈瘤は、足の静脈の弁が壊れて血液が逆流し、血液が足に溜まる病気です。足のだるさ、重さ、むくみが主な症状で、夕方に悪化し、朝は比較的軽いのが特徴です。ふくらはぎに血管が浮き出て見えることもあります。
深部静脈血栓症は、足の深い静脈に血栓(血の塊)ができる病気で、片足のみの突然のむくみ、だるさ、痛みが特徴です。
心臓の病気による足のだるさ
心不全により心臓のポンプ機能が低下すると、足に血液が溜まりやすくなり、むくみとともに足のだるさを感じることがあります。息切れや体重増加を伴うことが多く、夕方に症状が強くなります。
その他の原因による足のだるさ
長時間の立ち仕事や座りっぱなしの姿勢は、重力により血液が足に溜まり、一時的な足のだるさを引き起こします。運動不足により筋力が低下すると、血液を心臓に戻すポンプ機能が弱まり、だるさを感じやすくなります。
こんな症状は早めの受診を
特に注意が必要な症状
歩行時に足のだるさや痛みが出現し、休むと治まる症状は、下肢動脈性閉塞疾患の典型的なサインです。最初は長距離を歩いたときだけ症状が出ますが、進行すると短い距離でも症状が現れるようになります。糖尿病、高血圧、脂質異常症がある方、喫煙歴のある方は特にリスクが高いため、このような症状があれば早めに循環器内科を受診してください。
足の冷えやしびれを伴う場合、足の皮膚の色が変わる(青白い、紫色になる)場合、足の傷が治りにくい場合も、血流障害の可能性があります。片足だけが突然腫れて痛み、だるさがある場合は、深部静脈血栓症の可能性があるため、速やかに受診してください。
このような方は検査をお勧めします
50歳以上の方、糖尿病や高血圧、脂質異常症がある方、喫煙歴のある方、家族に動脈硬化の病気がある方は、症状がなくても末梢動脈疾患のリスクが高いため、定期的な検査をお勧めします。健康診断で動脈硬化を指摘された方も、足の血管の状態を調べることが重要です。
大動脈・末梢動脈疾患について詳しくはこちら 健診結果について詳しくはこちら足のだるさから考えられる疾患
足のだるさの背景には、様々な循環器疾患が隠れている可能性があります。
下肢閉塞性動脈疾患
足の動脈が動脈硬化により狭くなったり詰まったりする病気です。歩行時の足のだるさや痛みが特徴的で、進行すると安静時にも痛みが現れたり、足に潰瘍ができたりします。糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙が主なリスク因子です。当院ではABI検査(足関節上腕血圧比)により、足の血流状態を評価します。ABIが0.9以下の場合、下肢閉塞性動脈疾患の可能性が高くなります。
大動脈・末梢動脈疾患について詳しくはこちら下肢静脈瘤
足の表面近くの静脈が拡張し、こぶ状に浮き出る病気です。足のだるさ、重さ、むくみが主な症状で、長時間立つことで悪化します。下肢静脈瘤は当院では注射による治療も行っております。
深部静脈血栓症
足の深い静脈に血栓ができる病気で、片足の腫れ、痛み、だるさが突然現れます。長時間の飛行機移動(エコノミークラス症候群)、手術後、長期間の安静などで起こりやすく、血栓が肺に飛ぶと肺塞栓症という重篤な状態になります。
心不全
心臓のポンプ機能低下により、足に血液が滞りやすくなり、むくみとだるさが生じます。息切れや疲労感を伴うことが多く、適切な治療と心臓リハビリテーションにより症状改善が期待できます。
心不全について詳しくはこちら 心臓リハビリについて詳しくはこちら糖尿病性神経障害
糖尿病が長期間続くと、神経が障害されて足のだるさ、しびれ、痛みが現れることがあります。糖尿病の方は血管の病気も合併しやすいため、総合的な評価が必要です。
糖尿病について詳しくはこちら高血圧・脂質異常症・糖尿病
高血圧や脂質異常症、糖尿病が長期間続くと、動脈硬化が進行し、末梢動脈疾患のリスクが高まります。適切な管理により、血管の病気の予防が可能です。
高血圧について詳しくはこちら 脂質異常症について詳しくはこちら当院の診療における特徴
ABI検査で血管の状態を評価
当院では、足の血流状態を評価するABI検査(足関節上腕血圧比)を実施しています。この検査は、両腕と両足の血圧を同時に測定し、足の血圧が腕の血圧に比べてどの程度低いかを調べるもので、痛みもなく5分程度で終わる簡便な検査です。ABI値が0.9以下の場合、末梢動脈疾患の可能性が高く、さらに詳しい検査や治療が必要になります。
生活習慣病の総合的な管理
末梢動脈疾患の最大の原因は動脈硬化であり、その背景には高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などの危険因子があります。当院では、これらの生活習慣病の管理にも力を入れており、足の血管の病気を予防・改善するための総合的な治療を提供しています。採血検査は当日結果対応を行っており、血糖値やコレステロール値などを迅速に測定することが可能です。
管理栄養士によるオンライン栄養指導も実施しており、動脈硬化を予防する食事療法についてサポートします。禁煙指導も行っており、禁煙は末梢動脈疾患の進行を防ぐために最も重要な対策の一つです。
生活習慣病の管理について詳しくはこちら適切な連携医療
より専門的な治療が必要な場合(カテーテル治療、バイパス手術など)は、都立墨東病院をはじめとする連携医療機関へ速やかに紹介いたします。下肢静脈瘤でレーザー治療が必要な場合も、専門クリニックをご紹介します。
連携医療機関について詳しくはこちら足のだるさを改善・予防するために
足のだるさを改善し、血管の病気を予防するためには、日常生活での取り組みが重要です。
禁煙の徹底
喫煙は動脈硬化を著しく進行させ、末梢動脈疾患の最大の危険因子です。禁煙することで、病気の進行を遅らせ、症状を改善できます。
適度な運動を継続
ウォーキングなどの有酸素運動は、血流を改善し、側副血行路の発達を促します。末梢動脈疾患がある方は、痛みが出ない程度の距離を歩き、休憩を挟みながら繰り返すことが効果的です。無理のない範囲で、毎日30分程度の歩行を目標にしましょう。
足を高くして休む
夕方の足のだるさには、横になって足を心臓より高くする姿勢が効果的です。足に溜まった血液が心臓に戻りやすくなり、だるさが軽減されます。
適正体重の維持
肥満は足への負担を増やし、動脈硬化のリスクも高めます。適正体重を維持することが、足のだるさの予防につながります。
メタボリックシンドロームについて詳しくはこちら生活習慣病の適切な管理
高血圧、糖尿病、脂質異常症をしっかりとコントロールすることが、動脈硬化の進行を防ぎ、末梢動脈疾患の予防につながります。定期的に通院し、処方された薬をきちんと服用しましょう。
冷えの予防
足が冷えると血流が悪化するため、靴下を履いたり、足浴をしたりして足を温めましょう。ただし、末梢動脈疾患がある方は感覚が鈍くなっていることがあるため、湯たんぽやカイロによる低温やけどに注意が必要です。
よくあるご質問(FAQ)
歩くと足がだるくなりますが、休むと治ります。病院に行くべきですか?
はい、それは間欠性跛行という症状で、末梢動脈疾患の可能性があります。放置すると徐々に歩ける距離が短くなり、重症化することがあるため、早めに循環器内科を受診してABI検査などを受けることをお勧めします。
ABI検査とはどのような検査ですか?
両腕と両足の血圧を同時に測定し、足の血圧が腕の血圧に比べてどの程度低いかを調べる検査です。痛みはなく、10分程度で終わる簡便な検査で、末梢動脈疾患のスクリーニングに非常に有用です。0.9以下の場合、末梢動脈疾患の可能性が高くなります。
足のだるさは動脈と静脈のどちらの問題ですか?
両方の可能性があります。歩行時に痛みやだるさが出て休むと治まる場合は動脈の問題(末梢動脈疾患)、夕方に足がむくんでだるくなり朝は軽快する場合は静脈の問題(下肢静脈瘤)の可能性が高くなります。診察と検査により判断します。
糖尿病がありますが、足のだるさと関係ありますか?
はい、大いに関係があります。糖尿病は動脈硬化を促進し、末梢動脈疾患のリスクを数倍に高めます。また、糖尿病性神経障害により足のだるさやしびれが出ることもあります。糖尿病のある方は、定期的に足の血流検査を受けることをお勧めします。
運動すると足がだるくなるので、安静にしていた方がよいですか?
いいえ、適切な運動はむしろ症状改善に効果的です。痛みが出ない程度の距離を歩き、休憩を挟みながら繰り返すことで、側副血行路が発達し、歩行可能距離が延長します。ただし、医師の指導のもとで行うことが重要です。当院では理学療法士による運動指導を行っています。
足のだるさでお悩みの方は、亀戸ハート内科・心臓リハビリクリニックまでお気軽にご相談ください。循環器専門医が詳しく診察し、ABI検査や血管エコー検査で原因を特定します。生活習慣病の管理や運動指導を通じて、症状改善をサポートします。土日診療も実施しておりますので、ご都合に合わせて受診していただけます。